桜の木の下でー落とした花びらが知っていたことー
思わず目を閉じる。


閉じずにはいられなかった。


そして体に大きな風を感じた。


目を開くとそこは桜の木の前だった。


私はボソッと呟く。


絵理「ありがとう。」


風で舞った花びらが全部地面に落ちるのを見送ると
私は桜に背を向けて走り出した。


未来の灯鞠が言ったように
今の私の悩みなんかいつかはどうでもよくなるのかもしれない。

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