あのキスの真意は
「俺さ…他に好きな子できた。
だから、明希…別れよう?」
…チクン
もう何度目だろう。
そのせいか、「別れ」という単語に少し胸が痛むだけになってしまったよ?
「いいよ、透もそうだったんだね。」
「…ごめん。」
謝るくらいなら、もっとスッパリ切ってくれればいいのに…
そうやって、気まずそうに優しい態度をとられるのは…なんだか自分が惨め。
だから、あたしは勢い良くベンチから立ち上がり透に言ってやった。
「他の子を好きになるなら、最初から付き合ったりしないでよ!!!
透なんて最低!!」
まるで負け犬の遠吠え
誰かを好きになるのに、時間とか関係ないけど…
今は理不尽な事でも言わないと、流したくもない涙が出てきてしまいそうで。
あたしはそのまま学校まで全力疾走した―――――