あのキスの真意は
涙なんて流さない
絶対に…
走ってる最中、下校途中の生徒に沢山見られたけど、そんなの気にもしなかった。
下駄箱に着き、ローファーから上履きに履き替えてる最中
「どこ言ってたんだよ。」
聞き覚えのある低音の声。
それは紛れもなく花森くんで、
振り向けばブスッとした顔を浮かべていた。
「…ごめん。
ちょっと鬼ごっこしてて。」
見え見えの嘘
自分でも言ってて何言ってるんだろうと思うけど、
今はこんな誤魔化ししか出来なかった。
「一人で鬼ごっことか、
広瀬も暇人だな。
用があったんだろ?」
仏頂面の次は呆れ顔ですか。
まぁ、待たせちゃったのは悪いけど、
こっちだって失恋したばっかりなのに…
すると、
「また別れたんだろ。」
「なぜ、それを…」
な、何で花森くんがしってるわけ?