あのキスの真意は
-武SIDE-



俺は生徒会で使う資料を教室に忘れ、
教室に取りに来たところ、


アイツが、広瀬明希が自分の席で寝ていた。




普段、話さない奴。
というより、自分の苦手なタイプ


騒ぐし、笑い声は煩いし、
男運なさすぎだし…

見ててイライラする。


俺ならこうするのにと、思わずにはいられない。




そんな奴が気持ち良さそうに眠っていて、
ちょっとアホ面な寝顔を覗いてやろうと思った程度だった。





それなのに、


広瀬の寝顔を見た瞬間

自分の中に、何か言葉に上手く言い表せない“じりじり”と欲望にも似た渇欲を感じた。




壊してやりたい。


不意に浮かび出た黒い感情










そして気付けば、自分の唇を
広瀬の唇に重ねていた。



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