あのキスの真意は



唇を数秒重ね、ゆっくり離すと、さっきまでの欲が自分の中から綺麗に形を消していた。




だが…代わりに広瀬に向かって



「お前なんて嫌いだ。」




と呟いて教室を後にした。




なぜ、キスしたのか自分でも分からない。


むしろ嫌っている相手にキスした自分に顔をしかめてみる。




ただ…壊してやりたい


それだけだった。

恋愛感情?そんなの笑えてくる。



じゃあ…なんだ?



疑問を抱きながら廊下を歩くとすぐに生徒会室に着き、ドアを開けた。




「すみません、遅くなって。」


「おう、って武…資料持ってないけど…」



は?


自分の視線を落とすと、手ぶら状態



「あ…もう一回行ってきます。」



生徒会メンバーに笑われる中、俺はもう一度来た道を折り返した。




やっぱりアイツのせいだ。嫌いだ。



-武SIDE- end


< 4 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop