あのキスの真意は
唇を数秒重ね、ゆっくり離すと、さっきまでの欲が自分の中から綺麗に形を消していた。
だが…代わりに広瀬に向かって
「お前なんて嫌いだ。」
と呟いて教室を後にした。
なぜ、キスしたのか自分でも分からない。
むしろ嫌っている相手にキスした自分に顔をしかめてみる。
ただ…壊してやりたい
それだけだった。
恋愛感情?そんなの笑えてくる。
じゃあ…なんだ?
疑問を抱きながら廊下を歩くとすぐに生徒会室に着き、ドアを開けた。
「すみません、遅くなって。」
「おう、って武…資料持ってないけど…」
は?
自分の視線を落とすと、手ぶら状態
「あ…もう一回行ってきます。」
生徒会メンバーに笑われる中、俺はもう一度来た道を折り返した。
やっぱりアイツのせいだ。嫌いだ。
-武SIDE- end