碧いボール
杏から条件を下された次の日。
あたしはいつものように学校へ向かった。
今日は、開校記念日で休み。
だから、めいっぱい部活できる~!!
いつものあたしなら、そう喜ぶはずだけど、昨日のこともあるし、素直には喜べない。
っていうか、そんな気分になれない。
大変だ。
自分で実感なかったけど、あたし多分、バスケ大好き度、確実に下がった。
今までは、どんなに嫌なことがあっても、バスケをすることで忘れられたけど、今日のあたしはそう思うことさえできない。
・・・・・・重症だな。
家から学校は近いから、一人でそんな気分に浸っていられる時間も少ない。
その分、あたしの頭にうかぶ、マイナスな妄想もすぐに打ち消すことができた。
学校について、生徒玄関から校舎内に入ると、あたし派の部員は「おはようございます!
」と元気に挨拶してくれる。
杏派の人は、昨日のこともあってか、あたしと目を合わそうとしない。
その反応、ちょっと傷つくな。
でも、あたしは今まで通りでいないと。
あたし派の人は、何も知らないんだから・・・。
練習が始まって、いつものように椅子に座ってぼーっと練習風景を眺めている芦田に、あたしはいつもと違う行動をとった。
顧問である(一応)芦田を取り戻すため。
まずは、どうして放任気味になったのか聞かないとね。
あ、言い忘れてたけど、芦田ははじめから放任してたわけじゃない。
最初のころは、バスケのこともよくわかってて、指導のしかたもうまいし、いい顧問だったのに。
何か理由があるはずだから。
練習は杏にまかせて、あたしは大きく息を吸い込んだ。
そして芦田に近づいて・・・言った。
「芦田先生」