碧いボール
しかし、現実はそう甘くなかった。
ある時、ひとりの先生が、「顧問を希望する」と、バスケ部に入ってきた。
すごく実績のある先生で、男子を担当したいと言ったので、そのようにした。
自動的に俺は女子の顧問となった。
その時の3年生・・・相川たちの先輩に、なんて言うんだ?
いじめられてた、というべきか。
認めたくないけど、そうなんだよな。
はは・・・情けねぇや。
いいところ見せて、いい顧問でいたかったのに、逆いじめされて放任って、どこまで最低なんだよってな。
だから、もう俺にはこいつらに指導する権利はないんだ。
練習に来ても、見てるだけ。
何もしない。
求められるコメントにも、適当に答えておくだけ。
今でも、3年生に授業を教えるのは恐い。
はあ・・・これは、相川に話したほうがいいのか?
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