碧いボール

奇跡on奇跡

だんだん肌に触る外の空気が暑くなってきても、あたしたちは相変わらず練習を怠らない。
なんだかんだ言って、みんなバスケが好きなんだなあ、って、妙に嬉しくなる。
そんな中で、一日、また一日と近づくセレクション。
あたしが何をしようと、明後日は明後日なんだ。
そう・・・実はセレクションて、明後日なんです。
今日は木曜日。
一度きりのチャンスだから、やれるだけやろうって決めて、毎日のように自主練に励んでた。
それに、もし今回選抜になったりしたら、お父さんとも変われる気がして・・・。
お父さんもバスケ族だから。
そもそもあたしのバスケ好きだって、お父さんから始まったわけだし。
お父さん、もう一度、もう一度でいいから、あの頃みたいにあたしにバスケを教えてくれませんか?
あたしは今、一番バスケの近くにいます。
そう、お父さんの横顔を見ながらつぶやいた。
こんなにも近くにいるのにな・・・。
お父さんはお母さんの遺影から目をそらさない。
じっとお母さんだけを見つめていた。
切なそうで、苦しそうなその目は、あたしが入る隙がまったくないように思えた。
全部・・・妄想か。
あたし、妄想得意だもんな。
なんて、ちょっとふけってみる。
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