碧いボール

あたしのせい・・・

え・・・あたしのせい??
予想はついてたけど、やっぱりショックなものはショックだ。
どうして?あたし、何かしたかな?
頭の中で、杏の言葉がリピートされる。
嫌でも考えてしまう、たくさんの可能性。
思えば、前兆はあったんだ。
最近、杏たちが妙にあたしを避けていたこと。
認めたくなかったけど、やっぱり現実だったの・・・?

杏はバスケが上手だ。
あたしたちには、欠かせない存在。
キャプテンはあたしだけど、杏は多分、あたしより上手。
ディフェンスなんて、確実にあたしを抜いてる。
あたしは基本、オフェンス専門だから。
何が気に入らなかった?
試合は出れてたし、部員からの信頼も厚かったはずなのに。
ねえ、どうして?


  杏Side
あ・・・。
あたし、言っちゃったんだ。
けっこう前から意識してたこと。
「退部」。
別に、バスケ部自体が嫌になったわけじゃないし、むしろバスケは楽しい。
「やめる」って宣言した今でも少し後悔してたりする。
・・・ちょっと、未練たらしいかな。
有希には申し訳ないけど、それでもやっぱり、有希が悪いんだよ。
認めたくないけど、有希以外の理由が見つからない。
最初はあたしだって、色んな観点から理由を探そうとしたけど、やっぱり有希だった。
そう気づいたら、もうそれからは有希の嫌なところばかりが目について。
って、こんなこと言ってたら有希に怒られるね。
有希はそんなの気にしないから・・・。
ごめんね、有希。
あたし、これ以上有希のそばにいたら、有希を、ほんとの意味でいじめちゃいそうなんだ。
有希はあたしに優しくしてくれるのに、ごめんね。
これしか方法がなくて、ごめんね。
最低な親友で・・・ごめんね。
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