碧いボール
杏Side
ふぅ。今日は一段と疲れたな。
ストレッチをしながら感じる。いや、当たり前なんだろうけどさ。
芦田、他の人にもやらせるとかいって、みんなはただその場に立って手あげてるだけじゃない!
怒りじゃないけど、なんかこう・・・不安に襲われた。
何でだろう?
自分でもわからない不安。というか、嫌な予感。
こういうのってだいたい的中するわけで。
こんなことがあったあとだから、内容もそういうのなんだろうな。
でも、何度も言うけど悪いのはあたし。
だから、どんな運命も受け止める。
だけどね、有希。
あたし、部活辞めたくないよ・・・。
あたしだって、別に自分の意思でやめようって思ったんじゃない。
「ある人」に動かされたんだ。
でもそれは、有希には言えない・・・。
杏、どうしたんだろ?今日の杏は、なんか様子が変だった気がする。
あたしの思い過ごしかな?
まあ、いい。
ついに最終セレクションが、やってくる。
寝ることなんてままならなくて、あたしはベッドに横たわってじっと天井を見つめてた。
綺麗だった昼間の太陽は街と一緒にお休み中で、今窓から望めるのはまあるく縁どられた月だけ。