碧いボール
しんとした沈黙を破るように、あたしたちの家族が押しかけた。
「白亜!お父さん!」
「有希・・・おめでとう」
お父さんが涙声で言う。
「有希・・・かっこよかった。ずっと・・・好きだったよ」
これにはみんなが唖然とした。
お父さんだけがニコニコ笑っていた。
「ほら、返事してあげなよ。かわいそうでしょ」
麻紀があたしをつつく。
「白亜・・・あたしも、ずっと好きだったよ」
その日、奇跡が起こった。
なんと、一生完治することはないと言われていた病気を、お父さんが克服したのだ。恐るべき生命力。
奇跡に奇跡が重なって、今日はすばらしい一日になった。
ふいに、杏が窓を開けた。
見あげた空は真っ青で、伝説通りに、ずっと見ていたいなぁ・・・と思った。
今日、あたしたちが手にしたボールの色とはちがう、あたしたちが見た空の色がある。
あたしたしはその色を、思い出の試合球にこめて、碧く染めた。
あたしたち色のボールが、できあがった。
約束通りに廃部は免れて、また楽しい日々を送っている。
次にボールを手にするチームが現れるのを、楽しみにしながら。
「白亜!お父さん!」
「有希・・・おめでとう」
お父さんが涙声で言う。
「有希・・・かっこよかった。ずっと・・・好きだったよ」
これにはみんなが唖然とした。
お父さんだけがニコニコ笑っていた。
「ほら、返事してあげなよ。かわいそうでしょ」
麻紀があたしをつつく。
「白亜・・・あたしも、ずっと好きだったよ」
その日、奇跡が起こった。
なんと、一生完治することはないと言われていた病気を、お父さんが克服したのだ。恐るべき生命力。
奇跡に奇跡が重なって、今日はすばらしい一日になった。
ふいに、杏が窓を開けた。
見あげた空は真っ青で、伝説通りに、ずっと見ていたいなぁ・・・と思った。
今日、あたしたちが手にしたボールの色とはちがう、あたしたちが見た空の色がある。
あたしたしはその色を、思い出の試合球にこめて、碧く染めた。
あたしたち色のボールが、できあがった。
約束通りに廃部は免れて、また楽しい日々を送っている。
次にボールを手にするチームが現れるのを、楽しみにしながら。