とある霊能力者への相談
 パシンッ…

「んん…?」

アイドルの女の子が、何かが弾けた音で眼を覚ます。

隣に寝ているサアヤは熟睡していた。

 パシンパシンッ パンパンッ

音は目覚めてからも、続いている。

「えっ? 何?」

恐怖に顔を歪め、女の子は周囲を見回す。

明るい月光が障子戸から入ってくるだけで、薄暗い部屋の中。

他に何かがいる気配だけはするものの、まだ形を成さない為、見えなかった。

やがて壁にかけてあるハンガーが、ガタガタと動き出す。

戸は閉めているはずなのに、生暖かい風が顔を撫でた。

「ヒッ! いやぁああ! 誰かっ…誰か来てぇ!」

隣の部屋にはマネージャー達が泊まっていた。

けれど薄い壁越しには、何の音も声も聞こえない。

誰もが眠ってしまっていて、起きているのは女の子ただ一人だけ。

そのことに気付いた女の子は、その場で耳を塞ぎ、うずくまった。

電気が付いたり、消えたりの繰り返しを始める。

―…ねぇ…。ねぇ…。

「っ!」

何かが自分の肩に触れ、声をかけてくる。

そこで女の子は意識を飛ばしそうになった。
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