とある霊能力者への相談
大声で呼ぶと、サアヤは慌てて来た。

「どうしたの? ノウコさん。…って、アレ?」

サアヤはテレビを見て、固まった。

「…何か見たことのある旅館と女性の顔」

と言うけれど、すでにどこの誰だか分かっているのだろう。

顔が引きつっているのが、証拠だ。

アナウンサーは更に、最近旅館で起こっている不審な事故の原因が、女将であったことを語る。

それで警察は動き出そうとした矢先の出来事だったらしい。

「…動くの、ちょっと遅かったわね」

わたしは携帯電話をテーブルに置いた。

「っちゃー…。言わんこっちゃない」

サアヤはため息をつき、ソファーに座る。

「アンタ達も知ってたのかい? あの旅館のこと」

「母さん、知っていたの?」

「アタシは何度か相談が来たからね」

旅館に勤めていた人達や、旅館に実際に泊まった客達から、相談を何回か受けたらしい。

対処法としては、旅館に行かなければ大丈夫だと言ったらしいけど…。

「でも今度は大変だろうな」

母は眉間にシワを寄せ、テレビを見つめる。
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