とある霊能力者への相談
「サアヤはどうしてたの? あなただって、普通の人じゃないんだから」

「私はあくまでお手伝い、だからね。現場には一歩も入らなかったわよ」

「賢明ね」

「とーぜん」

鼻で笑うと、ハーブティーを飲んで一息つく。

「…まっ、夜の方ではもう女の子は行くのを本気で拒んじゃってさ。仕方ないから芸人達が頑張ってた」

「良い絵は撮れた?」

皮肉まじりに笑みを浮かべながら聞くと、サアヤも意味ありげに笑う。

「みたいね。オンエアはまだだから、何とも言えないけどさ」

それでも彼女が行こうとしなかった場所ならば、いくつか映っていても不思議じゃない。

「でも問題は全ての撮影が終わった後、旅館のことよ」

ふと真面目な顔つきになり、サアヤは遠い眼をした。

「旅館は古くてもそこそこの広さがあったから、スタッフも全員泊まったの。よくある隠し撮影も芸人の方だけにして、普通に夜を向かえたんだけど…」

女の子は、自分が泊まる部屋はイヤな感じがすると言い出し、泣き始めてしまった。

スタッフが困り果てた時、サアヤの友達がこう言い出した。
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