とある霊能力者への相談
「あっ、じゃあこのコと一緒にいると良いですよ。サアヤ、幽霊とか寄り付かないタイプなので」

「なぬっ!?」



「……と言うか、あなたの周囲の人はどこまで知っているの?」

思わず呆れ顔で聞くと、肩を竦めた。

「まあよくあるコックリさんとか、一度も来たためしがないから。それにどんな心霊スポットでも、私はズンズン進めるし」

彼女が背負っているモノを怖がっているんだろうな…。

思わずわたしまで遠い目をしてしまう。

「そんで話を元に戻すと」

友達の話を聞いて、女の子はすぐにサアヤに飛びついてきたらしい。

一緒の部屋で寝てほしい、と。

「周囲の人からも頼まれちゃってさあ。…それにそのコのマネージャーから、特別にお手当付けるからとも言われちゃったし」

よっぽど困っていたんだろうな。

その光景が眼に浮かぶ。

「…でもそこで、イヤ~なことがあったの」

そう言う彼女の顔は、これ以上ないぐらいに険しい表情だった。

「何か現象が起こっちゃったの?」

「ううん。幽霊じゃなくて、人間の方」
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