とある霊能力者への相談
騒ぎを聞き付け、旅館の女将がやって来た。

女将はスタッフから話しを聞いた後、イヤな笑みを浮かべてサアヤを見た。

「まあそちらのお嬢さんが鈍いだけかもしれませんがね。起こる時は起こってしまうことを、覚悟してくださいね?」

ああ…ブチッ★とキれちゃったんだ。

「だから言ってやったのよ!」

表情を引きつらせながら、サアヤは女将に言った。

「この旅館のウリは幽霊騒動だけだもんね。いなくなったら、さぞかし困るわよね~」

と意味ありげに笑ってやったそうだ。

「サアヤ、そういう核心めいた部分を言っちゃダメでしょう?」

咎めるように言うと、そっぽを向かれた。

「だってホントのことじゃん?」

確かに旅館は幽霊騒動をウリにして、今まで経営が保てていたんだろう。

そうじゃなきゃ、とっくに潰れていた。

だから女将は思わず自信満々に、ケンカを売ってしまったのだ。

―その相手の正体を知らずに。

「腹がたったし、私は女の子と一緒に部屋に行ったの。確かにジメ~とイヤな感じがしてたのよねぇ」

確かに、その場所には良くないモノがいたのだろう。
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