とある霊能力者への相談
「女の子があんまりにも怯えるから、二つの布団をくっつけて寝たのよ。…実はその後のことは、私自身は何にも覚えていないのだけど…」

失笑しながら語るところを見ると、サアヤは覚えていなくても、他の誰かが見ていたのだろう。

「誰に、何を、見られたの?」

はっきり聞いてみると、エヘッ☆と誤魔化すように笑われた。

「そのアイドルの女の子」

「まさかっ…!」

思い当たることがあり、わたしは目と口を大きく開いた。

「アレ、を見られたの?」

「アハハ~。…実は、そう」

「あああ…」

私は頭を両手で抱えた。

アレとは、彼女が背負っている【呪いと祝福】が実体化したモノ。

ある程度の力を持ったモノにしか見えないが、女の子は見える者だった。

「後から聞いた話しなんだけどね」

サアヤは気まずそうに笑いながら、続きを語りだす。

サアヤと女の子が眠った後、時刻は深夜二時を回った。

すでに旅館の中で起きている人はいなくて、静まり返っていた。

―だが、異変は突如起こる。
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