ケイヤク結婚
―大輝side―
「どうやら、今回は夏木課長に軍配があがったようだ」
休憩室にある自販機の前で、缶コーヒーを飲んでいる俺の背後から、新垣の声が聞こえた。
朝の会議の件を持ち出して来たのだろう。
ゆかりから、勝てると聞いていただけに新垣にとったら、ショックも大きかっただろう。
俺は振り返ると、「どうも」と返事をした。
「まいったね。狙っていたプレゼンを夏木課長に取られ、唯一、勝利の見込みがあった異動の件もどうやら夏木課長に奪われそうだ」
新垣が「どうやったら、夏木課長に勝てるんだか」と呟きながら、休憩室にある一人掛け用の椅子に腰かけた。
俺は缶コーヒーを口にすると、新垣の口元に目をやった。
唇が光っているように見える。乾燥防止のリップとは違う。
まるでグロスだ。
「どうやら、今回は夏木課長に軍配があがったようだ」
休憩室にある自販機の前で、缶コーヒーを飲んでいる俺の背後から、新垣の声が聞こえた。
朝の会議の件を持ち出して来たのだろう。
ゆかりから、勝てると聞いていただけに新垣にとったら、ショックも大きかっただろう。
俺は振り返ると、「どうも」と返事をした。
「まいったね。狙っていたプレゼンを夏木課長に取られ、唯一、勝利の見込みがあった異動の件もどうやら夏木課長に奪われそうだ」
新垣が「どうやったら、夏木課長に勝てるんだか」と呟きながら、休憩室にある一人掛け用の椅子に腰かけた。
俺は缶コーヒーを口にすると、新垣の口元に目をやった。
唇が光っているように見える。乾燥防止のリップとは違う。
まるでグロスだ。