ケイヤク結婚
 大輝さんが私の夫。その事実にまだ慣れない。

「格好良い人だね。でも……」

 里美が一呼吸置いて、バンっとテーブルを叩いた。

「やっぱり納得できない! この結婚には反対だよ」

 むすっとした表情で、里美が頬を膨らました。

 私の友人で、唯一私の結婚事情を知っているのが里美だ。後は誰にも言ってない。

 結婚式の招待状を送った際に、他の友人たちからもメールが来たけど……。

 事実は話してない。

『黙っててごめんね』程度の返信で、詳しい話は誰にもしてないし、今後も事実を話す気はないよ。

 だって、仲間内で独身者の最期の一人になりたくなくて、出逢ったその日に入籍しました! なんて口が裂けても言えない。

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