ケイヤク結婚
「綾乃さんは、新垣と寄りを戻すつもりはないと以前にはっきりと話していました」
「いえ。きっと冬馬さんも、新垣さんのこと好きなはずです。だってさっき、二人で上の階に行きましたから」
「なんだって?」
新垣と綾乃さんが二人で、会場を後にしたと?
「夏木さんにとって出世のための結婚なら、私とでも良いはずですよね? 私、夏木さんの妻になります! だから……お願いします」
「お断りします」
「どうしてですか?」
早く新垣の部屋に行かないと。
「出世だけの結婚以上になった……とだけ言っておきます。それよりも、新垣の部屋番号を教えていただけませんか?」
「あ、はい」と桜木さんが、鞄の中からカードキーをとり出した。
カードキーには部屋番号を書いてあった。
「桜木さんも、好きなら諦めてはいけないと思いますよ」
俺の口から言うことじゃないと思うけど。
俺は自嘲の笑みを浮かべた。
「いえ。きっと冬馬さんも、新垣さんのこと好きなはずです。だってさっき、二人で上の階に行きましたから」
「なんだって?」
新垣と綾乃さんが二人で、会場を後にしたと?
「夏木さんにとって出世のための結婚なら、私とでも良いはずですよね? 私、夏木さんの妻になります! だから……お願いします」
「お断りします」
「どうしてですか?」
早く新垣の部屋に行かないと。
「出世だけの結婚以上になった……とだけ言っておきます。それよりも、新垣の部屋番号を教えていただけませんか?」
「あ、はい」と桜木さんが、鞄の中からカードキーをとり出した。
カードキーには部屋番号を書いてあった。
「桜木さんも、好きなら諦めてはいけないと思いますよ」
俺の口から言うことじゃないと思うけど。
俺は自嘲の笑みを浮かべた。