君のための嘘
「1週間の猶予をあげる もしNOの場合でも、ここを出て行く必要はない 僕が仕事を見つけてあげよう」


握られた手をとんとんと優しく叩き、ラルフは立ち上がった。


夏帆も立ち上がり、逃げるように部屋に退散した。


夏帆の姿がドアの向こうに消えると、ラルフは寝室へ向かった。



******


夏帆は力なくベッドに座ると、眉根を寄せた。


1週間の猶予……。


いきなり何を言うんだか……。


そんなに簡単に結婚を決めてはいけないのに……。


ラルフがaffair(不倫)しているなんて信じられないけれど本当なんだ。


不倫なんかしなくても独身の女の子がたくさん寄って来るはずなのに……。


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