君のための嘘
「その笑顔が見たかったんだ」


「……ラルフ……」


「僕の提案のせいで、笑顔を失くしてしまったからね」


気にしてくれていたと知って、心の中が暖かくなる。


「……私……」


「ん?」


言葉を詰まらせる私にラルフは小首を軽く傾げ優しい笑みを浮かべている。


この人と結婚したら……愛されていなくても幸せになれる。


そう思える微笑みだった。


でも期間は2年間……2年後にきっぱり別れられるか分からない。


「ラルフ……ラルフはモテるから、他に結婚をしてくれる女性がいるでしょう?どうして私なの?」


「一つは君がこれからの生活に困っているから、二つ目は僕を好きなガールフレンドと結婚すれば2年後を期待するだろう?」

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