君のための嘘
「……だから、本気で結婚すればいいんです 美由紀さんを忘れる為に」


「……2年後に遠い所へ行かなくてはならないんだ」


ラルフの瞳が遠い所を見る様な目になる。


「ラルフ……?遠い所ってどこ?」


そのラルフの瞳に夏帆の胸がざわめく。


なんでだろう……。


「ねえ?ラルフ、それはどこ?どこへ行くの?」


夏帆は知りたくて立ち上がると、ラルフの横に座り顔をじっと見た。


「なぜそんなに不安そうな顔をするの?ボランティアでアフリカの発展途上国に行くだけだよ」


ラルフは不安そうな顔をする夏帆の頬に指先でそっと触れる。


「ボランティア?どうしてラルフが行かなくてはならないの?」


貧困で食べ物や病気に苦しんでいる土地にボランティアで行くなんて……。


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