君のための嘘
悲しくて涙がとめどなく溢れは流れ、枕を濡らしていく。


ラルフと結婚を決断した夜、夏帆はなかなか眠りに就くことは出来なかった。


******


「おはよう」


ラルフが爽やかな笑みを夏帆に向けて言った。


部屋を出ると、ラルフはすでに起きていてキッチンの中にいた。


今日こそは朝食を作りたいと思い、寝不足の目をこすりながら部屋を出た夏帆だったが。


「おはようございます……」


「夏帆ちゃん……」


キッチンの中からラルフが出て来て、夏帆の前に立つ。


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