君のための嘘
「大丈夫かい?すまない」


夏帆の身体がふわりと持ち上げられ、地面に降ろされた。


「ご、ごめんなさいっ」


ラルフの爽やかなフレグランスの香りをたくさん吸いこんで、胸がドキドキと高鳴り始めた。


「ぶつけたところはない?」


「は、はい……」


夏帆は両頬に両手を持って行く。


きっと、赤くなっているに違いない……。


*******


「いらっしゃ~い ラルフたん それに原石」


にこにこと笑みを浮かべてふたりはリリ・星野に出迎えられた。


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