君のための嘘
「僕たち結婚するんですが、結婚写真が必要なんです」


「わかったわ!ラルフたんの為なら協力してあげる 店から一式もってこさせるように言うわ ちょうど原石に似合いそうなドレスが一昨日の発表会で買ったのよ」


そう言うとリリはすぐ近くの電話で話し始めた。




肩に手が置かれて夏帆はハッと目を覚ました。


「良く寝ていたわね?ランチにしましょう」


リリは手を貸して夏帆を起き上がらせた。


「ランチ……ラルフは?」


夏帆は状況が呑み込めずに目をパチパチさせている。


「もちろんいるわよ テラスにランチを用意させたから行きましょう あ、あとで着替えるからそのままでかまわないわよ でも、少し寒いかしら じゃあ、着てきたコートを羽織ればいいわ」


テラスに連れて行かれると、ラルフはイスから立ち上がりふたりを出迎えた。



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