君のための嘘
「あら、良い笑顔が出たわね~」


リリに褒められて嬉しくない訳はない。


「その調子だよ 夏帆ちゃん」


ラルフが座っている夏帆を見下ろして笑みを浮かべた。


それからはすんなりと撮影は進んでいく。


さまざまなポーズの写真をふたりは撮られ、30分後夏帆は緊張から解放された。


******


リリの自宅を出たのは夜遅くなってからだった。


撮影の後、カメラマンやスタッフとパーティーになってしまったせいだ。


車で来ているラルフはアルコールを断ったが、夏帆はリリにワインをどんどん飲まされてとうとうソファで眠ってしまったのだ。


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