君のための嘘
「震えている 本当にごめん 心細かったんだね 少し休もう」


ラルフは夏帆の手をぎゅっと握ると歩き出した。


「ラルフ……?」


繋がれた手を見て夏帆は戸惑いラルフに声をかける。


「離れないようにね」


大きなラルフの手に包まれて、夏帆の震える手はしだいに治まって来た。


休める所を探していると、店からソースの香ばしい、美味しそうな匂いが漂ってきた。


「この匂い……」


とても懐かしい匂いがする。


「お好み焼きだね 食べたい?」


ラルフは腕時計を見て言った。


「うん、美味しそう……食べたいです」


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