君のための嘘
お弁当は作れないし、作るわけにもいかないので店に売っている弁当やパンを買うことにした。


それを買うにもラルフのお金を使ってしまう事に心が痛い。


お給料が出たら、ラルフのお金を使わなくて済む。


肉体的には大変だけれど、この仕事は悪くない。


後ろめたさはあるけれど……。


夏帆は痛む足を引きずりながら、マンションへ帰宅した。


疲れたけれど、ラルフに内緒のアルバイト。


疲れた顔をラルフに見せるわけにはいかない。


ラルフが帰って来る前にお風呂に入ることにした。


******


「ただいま」


ラルフはいつもと同じ時間に帰宅した。


「お帰りな……さ……!?」


ラルフの手に持っている物を見て言葉が止まる。


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