君のための嘘
全く違う子だったから……僕は戸惑っている。


やっぱり君を籠の中の鳥にはさせたくない。


君には自由でいて欲しい。


僕の……――と。


「……もう寝よう 明日は午前中に買い物に行くからね おやすみ」


我に返ったようにラルフは立ち上がると、テーブルの物をキッチンに持って行き自室へ下がった。





自室へ戻った夏帆はベッドの上にぽすんと座った。


ラルフは急にどうしちゃったんだろう……。


ふいに考え込むような顔つきになった。


美由紀さんのことを考えてしまったのかな……。


明日は平常心で行かないとダメだな。


ラルフを助けたくて結婚したんだから、うまくやらないと。



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