君のための嘘
「言っていなかった事?」


「うん……あの……黙っていたけれど私、昼間アルバイトしているの」


ラルフのキレイな顔に眉間が寄せられた。


「夏帆ちゃん、まさかその手荒れはアルバイトのせい?」


ラルフの視線が夏帆の手に向けられる。


「そう……なのかも……」


「正直に自分から言ってくれたのは嬉しいけれど、そのアルバイトは良くないよ」


「そのアルバイトって……なんだか知らないでしょう?」


やっぱり良くないと言われて夏帆は言っていた。


「手が荒れるのだから、手を使う仕事だろう?」


「でも働きたいの。毎日何もしないで過ごすことなんて出来ないから」


「もっと違う仕事を探すよ。でも来年になって落ち着いてからにした方がいい」


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