君のための嘘
あと1週間でクリスマス。


街中はクリスマスソングが流れる時期になっていた。


「もう私はここで落ち着いたわ。仕事も慣れてきて楽しいし」


「……お金が足りないのならいくらでもあげるよ。だから今の仕事は辞めて欲しい」


「ラルフっ! なんてこというの?」


夏帆は驚いてイスをガタッと落とさせて立ち上がっていた。


夏帆が欲しいのは散財できるほどのお金じゃない。


毎日の充実感と……ラルフの愛が欲しい。



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