君のための嘘
「買ってきてくれたの……?」


「ああ、そのままにしておいたら酷くなるから」


「ありがとう」


夏帆はチューブのハンドクリームを受け取った。


わざわざ買って来てくれた事が嬉しくて笑みが零れた。


「許してくれるかい?」


「許すだなんて……内緒にしていた私が悪いのに……」


「ありがとう。仕事は負担にならない程度にやってもいいよ。来年になったら夏帆ちゃんにぴったりな仕事を見つけるからね」


「はい」


ラルフが妥協してくれたのだから素直にならなくてはいけない。


夏帆は笑みを浮かべて返事をした。


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