君のための嘘
電源を入れると、着信が何十件も入っていた。


そしてメールも表示されている。


ラルフはそれを無視して、カメラ機能を起動させる。


数枚夏帆を撮ると、ふたりで雪だるまを入れて撮る。


傍から見たら可愛いカップルに見えるだろう。


数枚撮ったところで着信音が鳴った。


ラルフは出ずに電源を切った。


「ラルフ、出ないの?」


夏帆が不思議そうに聞く。


「ああ。いいんだ。旅館に戻ろうか、暗くなってきた」


ふたりは来た道を戻り、旅館に向かった。


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