君のための嘘
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仲居に座卓の片付けをしてもらっている間、ラルフは電話をかけてくると言って部屋を出て行った。


夏帆はその間に、押し入れを開けて予備の布団を調べた。


布団は3組あった。


それを見て夏帆は安堵した。


同じベッドで一緒に眠ったら、きっとドキドキして眠れなくて一晩を明かしてしまいそうだ。


ラルフから離れるのが一番。


きれいに片づけられた座卓を隅に片付ければお布団が敷ける。


10分ほど経ったのに、まだラルフは戻って来ない。


先にお風呂に入ろうかな……。


せっかくだからユニットバスより露天風呂に入ってみたい。



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