君のための嘘
数年前から令嬢との見合いを事あるごとに進めてくる祖母。


ラルフが約束をすっぽかすのはよくあることで、お見合いをしたとしてもすぐに断っていた。


そんな孫に祖母はイライラを募らせていた。


夏帆ちゃんと籍を入れた事はまだ言えない。


このままやり過ごすか……。


しかし、毎年の新年の集まりには必ず顔を出す決まりだ。


電話を切る時も祖母は元旦に必ず本家へくるようにと言った。


きっとそこで今日すっぽかした令嬢と会わせられるのだろう。


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