君のための嘘
「ちょっと暑くなっちゃって……ラルフも一緒に入らない? タオルで巻けば見えないし」


夏帆は我ながら大胆だと思った。


自分だけこの時間を楽しみたくないし、ラルフと素敵な景色を共有したい。


このセリフを言うのに、ラルフが戻って来るまでの間に何度も練習した。


「……脱いでくるよ」


ラルフはお盆を台の上に置くと、パウダールームに入って行った。



俺の理性を試しているのか?


一緒に入ればキスや……その先の事もしたくなるだろう。


ラルフは重いため息を吐いてから服を脱ぎ始めた。



腰にタオルを巻いた状態でラルフは露天風呂に近づいた。


夏帆はラルフを見ない様にじっと外を見ていた。



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