君のための嘘
「っぁ……」


強烈な痛みが走り、夏帆の目に涙が浮かんだ。


「……ごめん」


「いいのっ!」


ラルフが止めてしまいそうで、夏帆はすぐに言った。


耐えられないほど痛いわけではない。


じわじわと身体の芯が疼き始めている。


ラルフは腰を落としながら、夏帆の唇を愛しそうに啄む。


「涙が出ている……」


目尻に流れる涙を唇で吸う。


「ラルフ、大丈夫だから……お願い……」


ラルフはもう一度、唇を重ねるとゆっくり上下に動き始めた。


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