君のための嘘

傷心

自分の部屋に戻った夏帆はベッドに顔を伏せて泣きじゃくった。


今までのことがすべて計画だったなんて……信じられないよ、ラルフっ。


ううん、違う 彼はラルフじゃない。


もう私には別人に思える。


彼は人を平気で傷つけられる霧生貴仁氏……。


箱根ではあんなに幸せだったのに……。


今は自分がボロ布になったかのよう。


あの優しいラルフは作り物だった……。


あんな人の為に泣きたくない。


それなのに止めどなく涙が溢れ出て止まらない。


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