君のための嘘
「あの子は寝ているの? 顔を見たいのだけれど」
「今日は止めてください。まだ彼女は自分の立場を受け入れられていませんから」
「……わかりました。今日の所は帰りましょう」
祖母をエントランスまで見送ったラルフは戻ると、夏帆の部屋に向かう。
ドアのすぐ横にトレーが置いてあるのが目に入る。
食べ残しはなかった。
それを見て、ラルフはフッと笑みを漏らした。
良かった。食べなければ体力がつかない。
ドアを開けようとそっとノブを回した。
カギはかけられていなかった。
無駄だと分かっているのだろう。
顔を覗かせると、夏帆は眠っているようだった。
「今日は止めてください。まだ彼女は自分の立場を受け入れられていませんから」
「……わかりました。今日の所は帰りましょう」
祖母をエントランスまで見送ったラルフは戻ると、夏帆の部屋に向かう。
ドアのすぐ横にトレーが置いてあるのが目に入る。
食べ残しはなかった。
それを見て、ラルフはフッと笑みを漏らした。
良かった。食べなければ体力がつかない。
ドアを開けようとそっとノブを回した。
カギはかけられていなかった。
無駄だと分かっているのだろう。
顔を覗かせると、夏帆は眠っているようだった。