君のための嘘
「えっ?あ、は、はいっ!コンタクト入っています」


そこへ先ほどの看護師がやってきて、ラルフは話しかけられて頷いている。


よく見れば会話をする看護師の頬が赤くなっているのが分かる。


コンタクトってこんなにクリーンな世界なんだ……。


メガネの度数があっていなかったのかもしれないけれど、世の中が明るく見える気がする。


「夏帆さん、フレームを選びに行きましょう」


看護師と話し終えたラルフが夏帆の元へ戻って来た。


言われるままにたくさん陳列されたフレームを見ていく。


見ていくうちにだんだんと眠気に襲われてきた夏帆は、分からない様にあくびをかみ殺す。


タクシーで少し眠ったけれど、機内ではこれからの事を考えていて、眠れなかったからな……。


ラルフさんの声が子守唄に聞こえて来ちゃう。



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