君のための嘘
「必要だと思いますよ?」


「い、いいえ!まだこれで十分です!」


10万円のフレームのおかげですっかり眠気は覚めてしまった。


ラルフは肩をすくめると、おもむろに店員に近寄り何かを話した。


そして夏帆に向き直り「帰りましょう」と促した。



******



ラルフのマンションに着き、夏帆は自分のいる場所に帰れた気分でホッとした。


すっかり時差ボケで、歩きながら眠ってしまいそうだ。


「部屋で休んでください 少し眠った方がいいですね」


リビングへ入ると、すぐさまラルフは睡眠を勧めた。


「付き合ってくれて、ありがとうございました それと、コンタクトレンズも……」


夏帆は頭を下げて、ラルフにお礼を言った。


< 40 / 521 >

この作品をシェア

pagetop