君のための嘘
電話を終えた受付嬢は、夏帆に役員用のエレベーターで50階まで行くように告げる。


エレベーターに乗り込むと、50階が最上階だという事が分かった。


さすが役員、最上階にいるんだ……。


乗ったエレベーターは、40階から各階に停止するようになっている。


そのエレベーターに乗り込んだのは夏帆一人だった。


エレベーターを降りると、ゴールドのプレートが豪華さを物語る受付があった。


受付に近づく夏帆を見たラルフは名前を呼んだ。


「夏帆ちゃん!」


ラルフは突然の夏帆の訪問に驚きを隠せなかった。


「どうしたんだい?こんな所にくるなんて」


受付の女性が興味津々で聞いている所で話したくない。


ラルフの問いかけに、夏帆は小さく首を横に振った。


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