君のための嘘
荷造りを終えて、ホッと一息ついた時、インターホンが鳴った。


こんな時間に誰だろう……。


リビングルームの壁に設置されているモニターに行くと、夏帆は画面に映る人物を見て小首を傾げた。


「侑弥さん、ラルフは会社です」


モニターのスイッチを押して夏帆は言う。


『君に用があるんだ ちょっと出て来てほしい』


******


1階のロビーで侑弥は待っていた。


夏帆が近づくと、歩いて5分ほどの公園に行こうと誘われる。


念の為、コートを着てきた夏帆は侑弥の後に付いて公園へ向かった。


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