君のための嘘
侑弥さんは聞いたことを言わないでくれと言ったけれど、ラルフに聞かずにはいられないと思った。


だけど、ラルフの顔を見ると何も言えなくなってしまう。


金魚のように口をパクパクさせている私はラルフに心配の種を植えてしまいそう。


「いったい、どうしたんだい!?おばあ様がまた来たのかい?」


夏帆は慌てて首を横に振る。


「ご、ごめんなさいっ!」


夏帆は立ち上がると、あっけにとられているラルフをその場に残し、自室へ逃げた。


いろいろ聞きたいし、謝りたいのに……言葉が出てこない。


私はどうしたらいいの?



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