君のための嘘
「もちろん、大事な友人だから怒らないよ」


「……うん」


「なぜなら、侑弥は君をからかっただけなんだ」


「私を……からかった?」


そんなわけない!嘘だと言ってと、何度も懇願したのに侑弥さんの言葉はくつがえらなかった。


「そうだよ 僕たちの仲を取り持とうとでもしたんじゃないかな」


「嘘!本当のこと言ってよ!本当にあと、2年しか生きられないのっ!?そうなら私はロスに帰らないっ!」


のらりくらりとかわす言葉に、夏帆は泣きながらつめ寄る。


「そんなわけないじゃないか、心臓病は確かだけれど、死ぬほど重い病気じゃない 人よりは運動を控えるように言われているだけだよ」



< 423 / 521 >

この作品をシェア

pagetop