君のための嘘
「本当に……?」


ラルフが死ぬなんて考えられない。


ラルフの言葉を信じたい気持ちが大きい。


「本当だよ 夏帆ちゃん、最近になって僕は気づいたことがあるんだ」


「えっ……?」


「……僕は君を愛していなかった 君を大事に思う心は、妹みたいな感覚なんだと」


「!」


夏帆の頭が横に振れる。


信じられないように何度も何度もかぶりを振る。


「君の……バージンを奪ってしまって申し訳なかったと思う 本当に君を大事にしてくれる人でなければいけなかったんだ……」


「何を言っているのっ?私はラルフだから、……ラルフだから愛されたかったのに」


「あの時の夏帆ちゃんはとても魅力的だったね 湯船に浸かり身体をピンク色にさせて……タオル一枚だけしか身に着けていない身体……正常な男なら君と寝たいと思うだろう」


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