君のための嘘
部屋の中が明るくなり、幻想的な雰囲気がなくなった。


それを少し残念な気持ちで夏帆はラルフを見た。


明かりをつけた彼はキッチンの中へと消えた。


すぐにラルフは白ワインと2つのグラスを持って戻ってきた。


「飲めますよね?」


「え……っと、はい 少しなら」


「もちろんお腹も空いていますよね?」


微笑みながらテーブルの上にワインとグラスを置くと、再びキッチンの中へ。


「あ、私、手伝います!」


夏帆も続いてキッチンの中へ行った。


キッチンは使っていないみたいにきれいだ。


「そこの棚から取り皿を出してくれますか?」


冷蔵庫の中を覗いているラルフが言う。


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