君のための嘘
小さな教会の隣に住居があり、古いながらもこぎれいに整備されている。


昔は子供たちが舗装されていない道路に出て遊んでいたものだが、今は誰一人子供の姿が見えない。


「誰も遊んでいない……」


不思議に思っていると、ラルフが口を開いた。


「今は孤児院じゃないんだ たしか5年ほど前からね」


「そうなんだ……だから……いないんだね」


今は孤児院ではないと思うと、寂しい想いが沸き上がった。



インターフォンを押すと、懐かしい姿が現れた。


「院長先生……わかりますか?夏帆です」


夏帆の顔をじっと見た院長はみるみるうちに顔を緩ませた。


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