君のための嘘
「ぁ……っと……お、おはよう……ございます」


「おはよう 夏帆さん 早いですね?良く眠れませんでしたか?」


「え……じ、時差ボケみたいで……早くに目が覚めたから朝食でも……と思ったんですけど……」


「思ったけど?」


ラルフは不思議そうに夏帆を見ている。


……ここは正直に言うしかない。


夏帆は観念した。


「ごめんなさい!とても食べられたものじゃないんです!」


頭をぺこり下げてゴミ箱を開けて捨てようとした時、持っていたお皿が素早く奪われた。


「あっ!」


「せっかく作ってくれたんだから頂きます」


「ラルフさんっ!それはだめっ!お腹壊しちゃいます」


夏帆は慌てて言った。


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